冬に飲みたい熱燗入門|温度帯の違い・作り方・おすすめ銘柄3選

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冬に飲みたい、熱燗

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冷えた体をほどよく温め、食事の時間をゆっくり整えてくれるのが燗酒です。「熱燗」は、香りの立ち方や飲み口の輪郭がはっきり出やすく、冬に選びたくなる温度帯。ここでは、熱燗の基本から温度帯、温め方、相性のよい銘柄までをおすすめしたいと思います。


熱燗について

熱燗は一般に、50℃前後の燗酒を指します(呼び方や区切りは多少前後します)。
冷酒と比べると、香りは立ち上がりやすく、口当たりはやわらかく感じやすいですが、一方で温めすぎると香りが飛んだり、アルコール感が立ってしまうこともあります。

熱燗が向く酒質の目安は次の通りです。

香りで押すタイプより、味で勝負するタイプが安定

旨味やコクがある(山廃・生酛、熟成感のあるタイプなど)

酸の輪郭がある(温めると立体感が出やすい)


熱燗の温度帯の種類と特徴(目安)

燗酒は温度によって「味の見え方」が変わります。ここでは、家庭で扱いやすい範囲で整理します。

  • ぬる燗(40℃前後)
    角が取れて、米の甘味や旨味がふくらみやすい。香りは穏やかで、飲み疲れしにくい。
  • 上燗(45℃前後)
    立ち上がりがよくなり、味の輪郭が出る。料理と合わせたときに「酒の存在感」を出しやすい。
  • 熱燗(50〜55℃前後)
    香りとコクが前に出やすく、冬の煮込みや味噌系と相性が良い。酒質次第ではアルコール感も出るので、上げすぎ注意。
  • 飛び切り燗(55〜60℃前後)
    甘味や香ばしさ、熟成由来のニュアンスが強調されやすい。ハマると強いが、繊細な酒は崩れやすい。
  • さらに高温(60〜70℃)
    銘柄によっては成立する一方、香りが飛びやすく温度管理が難しい。狙って上げる場合は温度計があると安心。

※家庭ではまず「40→45→50℃」の順に試すのが好みの把握としてもおすすめです。


温め方

1. 本格的:湯煎+温度計で狙う

向く人:温度ごとの違いをはっきり楽しみたい/燗を安定させたい

  1. 鍋に湯を張り、**沸騰直前(80℃前後)**まで温める
  2. 徳利(またはちろり)に酒を入れ、鍋に入れて湯煎
  3. 温度計で酒の温度を見ながら、狙いの温度で引き上げる
  4. 1〜2分置いて味を落ち着かせる(「燗冷まし」で角が取れることが多い)

ポイント:鍋の湯を沸騰させ続けないこと。温度の管理が難しくなります。

2. 普通に:湯煎(温度計なし)でつくる

向く人:普段の晩酌で気軽に燗を取り入れたい

  1. 鍋の湯を沸かし、火を止めてから徳利を入れる
  2. 目安:
    • ぬる燗:2分前後
    • 上燗:3分前後
    • 熱燗:4分前後
      (徳利の厚み・酒量・初期温度で変わるので、最初は短め→追加が安全)
  3. 徳利を取り出し、注いで香りと口当たりを確認

ポイント:一気に上げず、短時間で様子を見ながら。

3. 簡易的:電子レンジでつくる(最短)

向く人:洗い物を減らしたい/1杯だけ温めたい

  1. 耐熱の器に酒を移す(※徳利の材質によってはレンジ非対応があります)
  2. 少量の加熱→混ぜるを繰り返す
    • 500Wで20〜30秒 → 混ぜる → 追加で10〜20秒
  3. 仕上げに1分置いて落ち着かせる

ポイント:レンジは温度ムラが出やすいので、途中で混ぜる手間を加えると失敗が減ります。

燗酒におすすめの日本酒3選

① 群馬泉 山廃純米酒

  • おすすめ温度60℃(飛び切り燗寄り)
  • タイプ:燗酒マニア向け。濃い甘味と香ばしさが際立つ
  • 相性の良い料理:角煮、サバのみそ煮、ブルーチーズ

飲みどころ:温度を上げるほど個性が伸びる銘柄。濃い味の料理に合わせると、酒の香ばしさと旨味がぶつからずにまとまります。

② 旭菊 大地 特別純米酒

  • おすすめ温度50〜55℃のぬる燗寄り(※体感で「熱すぎない」程度)
  • タイプ:口当たりがやさしく、米の甘味が絶妙。飲み疲れしにくい
  • 相性の良い料理:和食全般に合うオールラウンダー

飲みどころ:温めることで甘味と旨味が整い、食事の邪魔をしにくいタイプ。迷ったらこの1本。

③ 松美酉 本醸造 上撰

  • おすすめ温度:温度を選ばず。特に60℃前後。**70℃(飛び切り燗以上)**まで上げてもOK!
  • タイプ:やわらかく程よい甘み。本醸造らしくキレのある辛口
  • 相性の良い料理:白身魚、前菜とともに

飲みどころ:温度のレンジが広く、家庭で扱いやすい一本。前菜〜魚へ流れる食卓で、キレのある辛口が料理を受け止めます。


燗酒の魅力

燗酒の良さは「温度で酒の表情を調整できる」点にあります。

  • ぬる燗はやわらかく、食事に寄り添う
  • 熱燗は香りとコクが立ち、冬の料理に合わせやすい
  • 酒質によっては飛び切り燗で個性が大きく伸びる

最初の一歩としては、**同じ銘柄を45℃→50℃→55℃**と上げていくのがおすすめです。温度が変わるだけで、同じ酒でも「合う料理」「心地よい飲み口」が変わります。

まだまだ寒い日が続きますが、たまには熱燗で体の内側からじんわり温まってみませんか。
温度を少し変えるだけで、香りも旨みも表情が変わるのが燗酒の面白さ。今夜の一杯は、いつもの日本酒を“あたためて”楽しんでみてください。

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